院長とスタッフの間に事務長を置くこと
~院長とスタッフの間に事務長を置くことでコミュニケーションと情報共有が円滑化される~
歯科医院経営者である院長が頭を悩ます問題のひとつに「スタッフとのコミュニケーション」が挙げられるのではないでしょうか?
コミュニケーションが不十分で院長の考えがスタッフに伝わらないと、業務に支障をきたすだけでなく、院長自身とてもストレスを感じながら仕事をすることになってしまいます。またスタッフからしてみても、院長が何を考えているのかわからない状況で仕事をするのはあまり好ましい状況ではありません。
院長とスタッフの考えは真逆
そもそもですが、歯科医院の経営者である院長と、従業員としてそこで働くスタッフは考え方が真逆で、理解し合うのはなかなか難しいのが現実です。院長の立場としては「こっちはお給料を支払っているのだから、払っている分は最低でもしっかり働いてもらわなければ困る!」と考えています。
一方スタッフはというと「大変な仕事や責任はなるべく回避し、できるだけ楽をしてお給料をもらいたい」と思っているケースが多く見られます。これは歯科医院に限らず、どこの職場でも起こりうる問題です。
スタッフが本音を話しますか?
また、現場のスタッフが院長に対して本音を話すことはそうそうありません。歯科医院において院長の権限はとても大きく、その影響力は絶大です。
つまり院長に嫌われたり煙たく思われてしまうと自分の評価や報酬に影響を及ぼすだけでなく、職場で仕事がやりづらくなってしまいます。つまり、スタッフがわざわざ嫌われるリスクを負ってまで院長に本音や実情を語ることはまず無いと思った方がよいでしょう。
歯科事務長が歯科医院に必要なわけ
とはいえ、院長がスタッフの本音や、現場で起きている事実を把握しておかないと、医院経営をするための正しい意思決定ができません。
医院の規模がそこまで大きくなければ、よく目を凝らして注意を払えば小さな異変やトラブルに気付けますが、医院の規模が大きくなり抱えるスタッフの数が増えてきたらほぼ不可能です。
そこで院長とスタッフの間に中立的な立場としての「事務長」が入ることで、それらの課題を改善させることができます。院長、スタッフ両方としっかりとコミュニケーションを取れる事務長がいれば、院長サイド、スタッフサイド両方の考え方や状況をある程度理解することができ、双方の架け橋となることができます。
お互いの立場や状況がわかる事務長だからこそ、適切な言葉選びや言い回しで情報を伝えることができます。
小さな火種を放置するとやがて大火事になるのと同じで、院内の小さな問題も放置することで根が深くなり、解決困難な大問題に発展してしまうことがあります。ぼやのうちに火を消し止めるのと同じで、問題も小さなうちに解決することがとても大切です。
また、事務長がスタッフの陰の努力や頑張りを院長に伝えたり、スタッフに対する院長の労いや感謝の気持ちを本人に伝えることで院内の雰囲気がよくなります。逆に事務長が院長の努力や頑張っている部分をスタッフに伝えることで、スタッフの院長を見る目も良い方向に変わってきます。
まとめ
最後になりますが、院長は自分が抱えている苦労や努力を自分の口からなかなか言えないものです。また売上や経費などお金に関する事も「院長は金の亡者だ!」「院長はケチくさい!」など誤解を招く可能性もあり、なかなか言いにくいのが正直なところです。
そこで第三者である事務長が院長の代わりに、上記のような内容をスタッフに話をすることで、スタッフに院長自身の頑張りや正しい経営状況が伝わり、結果として風通しがよく働きやすい環境が出来上がっていきます。