【歯科事務長を採用する際に注意すべき点】①
~歯科事務長の不正リスクを回避する方法 お金色恋沙汰情報漏洩など~
目次
不正のリスク(お金、色恋沙汰、情報漏洩など)
院長の考えや医院の方向性を理解し、それに沿って動いてくれる歯科事務長が院内にいれば、院長にとってこれ以上心強い存在はありません。
しかし、歯科事務長は頼れる右腕になりうる反面、仕事の特性上医院の深い部分まで関知するため不正がおこなわれるリスクもあります。
歯科事務長のことを信頼し、一定の裁量権を与えたり仕事を任せることは大切なことですが、仕事を任せっぱなしにしたり、過度な権限を与えてしまうのは決して好ましい状態ではありません。
次に挙げたようなポイントに留意し、適度な管理や引き締めをおこなうことも非常に重要です。
①歯科事務長採用時には細心の注意を払う
院長が負っている「経営の仕事」「管理の仕事」を担ってもらうからには、能力があって実務レベルの高い歯科事務長を採用したいところです。
しかし、スキルや能力面だけにフォーカスしてしまうと、後で痛い目に合うことになります。
歯科事務長は院長の右腕となり、医院の深い部分まで関わるポジションなので「信頼できる人材かどうか」がとても重要です。
面接ですべてを見極めるのは難しいことなのですが、次のようなポイントを抑え、適正な人材を採用しましょう。
●誠実な人柄かどうか?
一緒に仕事をしていく上で誠実さは大事な要素です。
例えば、ネガティブな要素であっても嘘をつかず正直に報告できる。自分がミスをした際には非を認めてしっかりと謝れる。人のアドバイスなどを謙虚かつ素直に聞けるかどうかなどです。
●利他の心を持っているかどうか?
歯科事務長という仕事の性質上「人のために尽くす=利他の心」という要素は少なからず必要とされます。自分だけに矢印を向けるのではなく、相手のことをどう思いやれるかが大切な要素です。
他人の喜びを自分の喜びにできる思考を持っているかどうかは、とても重要なポイントです。
●コミュニケーション能力は兼ね備えているか?
経営に関わる重要な業務を担ってもらう以上、きっちりコミュニケーションを取り情報共有ができることが大切です。
歯科事務長に仕事を任せているけど、何をやっているのかわからないという「ブラックボックス状態」はよろしくありません。
きちんと報告・連絡・相談ができる人材であるかであるかどうかは大切なポイントです。
●院長側の視点で物事を考えられる人材かどうか?
歯科事務長は院長とスタッフの間に立つ中立的な役割が求められます。
スタッフ側の気持ちや要望に耳を傾け、寄り添うのは大事なことなのですが、スタッフ側に偏ってしまうのはよろしくありません。
歯科事務長はスタッフ側の視点だけでなく、院長側の立場・視点で物事を考え行動できことが重要です。歯科事務長がスタッフ側に寄り添いすぎてしまうと、「労働組合化」してしまい、院長の右腕どころか抵抗勢力になってしまう危険性もあります。
②歯科事務長に任せる仕事はよく考えてから依頼する
医院経営をしている限り色々な失敗やミスはつきもので、それをリカバリーしながら一歩づつ前に進んでいきます。
しかし、失敗にも2種類あって「取返しのつく失敗」と「取返しのつかない失敗」があります。
歯科事務長に何でもかんでも仕事を任せてしまった結果「医院のお金を横領されてしまった」、「機密情報を漏らされてしまった」、「法人印・実印を管理させたことで、勝手に知らない契約が結ばれていた」など、医院経営を揺るがす重大なリスクにもなりえます。
経営者である以上、医院を安定的に運営・維持させる必要があります。
医院経営が傾いたり医院の存続が危ぶまれるような取り返しのつかないような失敗は、是が非でも避けたいところです。
他人に任せる仕事は、よくよく考えた上で線引きし、依頼・指示することが重要です。
③歯科事務長に任せた仕事を放置しない
院長が歯科事務長に対してよくやってしまいがちなのが「仕事を任せっぱなしにしてしまう」という点です。
仕事を振られた歯科事務長も、最初は緊張感を持って真面目に取り組んでいたとしても、チェックや報告の義務が無ければ、だんだん仕事が雑になったり勝手にマイルールを設けてしまうなど良くない方向に流れてしまいがちです。
これらの状況が放置されエスカレートしていくと、ゆくゆくは不正など大きなトラブルに発展する危険性もあります。
多少面倒ではありますが、依頼した仕事を定期的チェックしたり、報告させるようにしましょう。
まとめ
歯科医院における歯科事務長絡みのトラブルのほとんどは「お金がらみのトラブル」か「異性関連のトラブル」の2つと言われています。
事前に想定できるリスク要素はできるだけ排除し、院長自身が強い気持ちを持って適度に管理、引き締めをおこなっていくことも重要です。