歯科経営での歯科事務長の役割とは
~実務を進めてもらう(院長のアイデア、構想を具現化)~
歯科経営における院長の3大業務とは
以前のコラムでも触れさせていただきましたが、歯科医院経営者である院長は大きく3つの業務を一人で担っています。
①歯科医師の仕事
国家資格である歯科医師免許証を持った歯科医師として治療をおこなったり、現場の勤務医や歯科衛生士に指示を出し、患者さんのお口の健康を守る仕事。
②経営者の仕事
院長は歯科医院という組織のトップ=経営者でもあります。医院運営や投資に必要なお金を調達(資金繰り)したり、医院運営に関わる様々な意思決定をおこなう仕事。
③マネージャーの仕事
医院の目標や理念を実現させるため、スタッフ一人ひとりがパフォーマンスを最大限発揮できるようサポートしたり、様々な物事の管理・運営をおこなう仕事です。
違いはどこの現場でも多少なりともあるのではないでしょうか?
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
歯科医院 院長自身がボトルネックになっている
このように、院長は診療以外にも抱えている業務が多く、物理的に忙しいのがよくわかります。
院長自身に仕事が集中すると、結果的に仕事がこなしきれず、ストップもしくは遅延してしまいます。
つまり院長自身が「ボトルネック」になってしまい、仕事が進まなくなってしまうのです。
このコラムをお読みいただくような院長先生は、おそらく高額な費用を払って研修会やセミナーに参加したり、コンサルを受けるなど相当な努力をしていらっしゃるのではないでしょうか?
また常にアンテナを張って色々な情報を集め、医院の改善や問題解決について日々考えていらっしゃるのではないでしょうか?
実際に院長先生とお話すると、実に色々とアイデアや構想をお持ちですし、医院の問題点や課題に気づいてることがほとんどです。
しかし、院長の業務は非常に多いため、すべて1人でおこなっていくわけにはいきません。
かといって、院内の歯科衛生士や受付スタッフに任せようとしても、本来やるべき仕事があるのでなかなか手がまわりません。
もしお願いしたとしても診療時間外にやることになりがちなので、残業代も発生しますし何よりスタッフに嫌がられます。
また、コンサルタントは基本問題点を洗い出し、解決のアイデアや道筋までは提案してくれますが、実際に手は動かしてはくれません。(業務範囲外なので当然といえば当然なのですが・・・)
歯科事務長が院長の右腕となり働く体制
そこで、院内に歯科事務長というポジションを置き、院長の頼れる右腕として働いてもらえる体制作りをしてみてはいかがでしょうか?
院長の理念や方向性を理解し、アイデアや構想をひとつひとつ実現してくれる存在がいれば、止まっていた仕事もどんどん進み、前に向かうことができます。
優秀な歯科事務長であれば、事前リサーチや根回しなど準備も並行して進めてくれるはずなので、院長は報告や相談を受け、意思決定をするだけでよくなります。
まとめ
院長がどんなに素晴らしいアイデアや構想を持っていたとしても、実際に動いて形にできなければ、持っていないのと同じことです。
まずは一歩でも動いて前に進むことがすべての始まりなので、業務が止まって困っている院長先生はぜひ歯科事務長というポジションを院内に置くことを検討されてみてはいかがでしょうか?